さて、陽も傾いてきた夕刻。
寝る場所(下が濡れているのでテントはやめて、車で寝ることにする)は、
どこでもありそうなので、まずは、雨に濡れた手タレ君を癒すために、温泉へ。
向かったのは、事前に調べていた奥伊根温泉の温泉宿。
到着すると、なんだか様子がおかしい!、
なんと、温泉が廃業されていた。
雨に濡れた捨て猫のように、寒さに震える手タレ君を容赦なく悪寒が襲う。
少し車を走らせると、もう一軒、大きく立派ないかにも高級そうな温泉旅館があった。
聞くと、入浴は予約(食事付き)の方のみ。
唇を青く振るわし、手タレ君は落胆のきわみ。
再び、最初の温泉宿(こちらも大きく立派な建物なのに、、)にもどり、
管理事務所に人がいたので、尋ねてみることにした。
対応してくれたのは、事務所の老夫婦(オーナー 83歳)。
オーナー「昨年、温泉はやめたんよ。」
小生 「ちかくにお風呂に入れるところはないですか?」
オーナー「40分くらい車で走るとあるがなぁ〜」
(車中の手タレ君を横目で見て。。)
小生 「そうですか、、、。」
と困っていると、
オーナー「あんたら、二人か? なら、ここの風呂を使いなさい」
案内してくれたのは、事務所のすぐ近くにある、ほったて小屋。
なんと、家庭用の湯船が2つ置いてあり、源泉かけ流しだという。
オーナー「寝るところや食事は?」
小生 「車で寝ようかと考えています。食事はまだ考えていません。」
オーナー「なら、寝るのは事務所の前の駐車場を使えばいい。
風呂は源泉かけ流しだから、出しっぱなしで、朝まで何度入ってもええよ。
ますは、食事の調達じゃな。」
と、お店の地図まで丁寧に書いてくれた。
「早う、(買い出しに)行きなさい。
飲むんやろう、外灯もつけておいてあげるよ。」
ありがたい心遣いに十分なお礼も言えないまま
買い出しに向かい、再び戻ってくると、(もう事務所は締められ帰られていたが)
外灯がつき、風呂の湯まで張ってくれていた。
こんなことがあるんですね。本当に人の優しさに感謝です。
スーパーの冷蔵の風で体の震えが止まらなくなっていた手タレ君と一緒に
ようやく、入浴。 最高の温泉だ!!!!
(屋根はあるが、1つの横の壁がなく山々のすばらしい景色が臨めた)
温泉で温まった体のまま、
事務所前にテーブルを広げ、夕食の準備。
(といっても買ってきたものを広げるだけ)
さてと、、手タレ君とカンパーイ
楽しき夜は続き、仕上げは、
手タレ君の本日釣果である鯛子の吸い物とお寿司で締めくくった。
(吸い物は手タレ君の作。刻みねぎまで家から持ってくる凝りよう)
温かい人の優しさにも触れ、本当に楽しい一日でした。